ねぇ、こっちを向いて



「……本当に?」

先に声を上げたのは私の方。


「うん。本当だよ。初めはこんな気持ちなかったのに。東屋の怒った顔とか、笑ってる顔とか、……幸せそうにしている顔を見ているうちにだんだん好きになってった。……けど、俺好きなんて気持ち初めてだし、……女たらしって言われてるから。東屋は俺のことどう思ってるのかなって心配になって、
それで昨日、あんなこと言ってしまった」


そうだったんだ……。


知らなかった。私のことそんなふうに思ってくれるなんて。


「私も、だよ……話してるうちにだんだん楽しくなって気づいたら、……好きになってた。」


だから一緒なんだよ。


笹倉くん。



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