耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
友人医師の自分への言葉に眉をしかめ、目元をピクリと震わせた怜。それを見た高柳がくくっと小さくかみ殺すように笑う。けれどその高柳も、美寧の次の言葉にピタリと笑いを止めた。

「モテるのはナギさんも同じだって、ユズキ先生が」

「………あいつめ」

渋い顔で唸るように呟いた高柳。
苦いものを含んだような怜と高柳の顔に、美寧は小首を傾け不思議そうに訊ねた。

「礼ちゃんもナギさんも褒められて嬉しくないの?モテるのは素敵な男性の証拠でしょう?」

「……そうとも限りません」

「そうなの?」

よく分からない、といった顔の美寧の隣で、怜がそっとため息をつこうとした時、高柳が口を開いた。

「まあ、確かにフジは昔から無駄にモテたが、見た目の通りクールで、恋人にも甘いところのない奴だと思っていた。――が、君にはずいぶん甘いということが、今日はよく分かった」

「っ、」

さっきのことを思い出して、美寧の顔にさっと朱が差す。

「だから自信を持っていいと思うぞ」

「………はい」

よく分からないがきっと励まされたのだ。美寧は素直に頷いた。

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