旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~
口々に言われ、私はただ頷くことしかできなかった。
時間が合う時は、いつもお兄ちゃんが駅まで車で送ってくれていた。この日もお兄ちゃんが運転する車で会社に向かう。
信号が赤に変わり車を停車させると、お兄ちゃんは後部座席に腕を伸ばし、封筒を私に渡した。
「ほら、これ」
「え、なに?」
突然渡された封筒とお兄ちゃんを交互に見つめてしまう。すると耳を疑うことを言った。
「芽衣に会いたがっている男の写真。父さんから預かってきた」
「……えっ!?」
どうして? だってさっき、私のこと助けてくれたよね?
信号は青に変わり、車を走らせながらお兄ちゃんは言う。
「俺は別に会うだけなら会ってもいいと思うぞ? 断ってもいいんだから」
「でも……」
やっぱりまだ前向きにはなれない。
「じゃあせめて相手の顔くらい見てやったら?」
そう言うとお兄ちゃんは再び信号で停まった時、私の頭をポンと撫でた。
無理だよ、お見合いなんて。会うだけといっても相手に迷惑をかけるだけ。だって私の心の中には、やっぱりまだ俊也さんでいっぱいだから。
受け取った封筒をギュッと抱えた私を乗せて、お兄ちゃんはそれ以上なにも言うことなく車を走らせた。
時間が合う時は、いつもお兄ちゃんが駅まで車で送ってくれていた。この日もお兄ちゃんが運転する車で会社に向かう。
信号が赤に変わり車を停車させると、お兄ちゃんは後部座席に腕を伸ばし、封筒を私に渡した。
「ほら、これ」
「え、なに?」
突然渡された封筒とお兄ちゃんを交互に見つめてしまう。すると耳を疑うことを言った。
「芽衣に会いたがっている男の写真。父さんから預かってきた」
「……えっ!?」
どうして? だってさっき、私のこと助けてくれたよね?
信号は青に変わり、車を走らせながらお兄ちゃんは言う。
「俺は別に会うだけなら会ってもいいと思うぞ? 断ってもいいんだから」
「でも……」
やっぱりまだ前向きにはなれない。
「じゃあせめて相手の顔くらい見てやったら?」
そう言うとお兄ちゃんは再び信号で停まった時、私の頭をポンと撫でた。
無理だよ、お見合いなんて。会うだけといっても相手に迷惑をかけるだけ。だって私の心の中には、やっぱりまだ俊也さんでいっぱいだから。
受け取った封筒をギュッと抱えた私を乗せて、お兄ちゃんはそれ以上なにも言うことなく車を走らせた。