旦那様の独占欲に火をつけてしまいました~私、契約妻だったはずですが!~
「話を聞いてもらうどころか、会ってさえくれない。……でもどんなに時間がかかっても、芽衣のご両親に認めてもらえるよう頑張るから」

「俊也さん……」

それだけで彼に愛されていると実感できる。でも、おかしいよね。だって私が今朝渡されたお見合い写真には、俊也さんが写っていたのだから。それにお兄ちゃんも妙に写真を見るよう言ってたし。もしかして……。

「俊也さん、両親はとっくに俊也さんのことを認めているのではないでしょうか?」

「……どういうことだ?」

首を捻る彼にバッグの中から写真を手に取り、彼に見せた。

「え、どうして俺の写真が……?」

混乱する彼に説明した。

「私のお見合い写真です。……両親から素敵な人だから会うだけ会ってみなさいって、勧められたんです」

説明しても彼は状況を理解出来ていない様子。

「つまり両親は、もう俊也さんのことを認めていて、だから私にこの写真を渡したのではないかと……」

自分の考えを述べると、俊也さんは頭を抱え込んだ。

「それなら嬉しいが……いや、まだ直接言われたわけでもないのに、このまま芽衣を帰さないわけにはいかない」
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