残酷なこの世界は私に愛を教えた
初めての感情

隼人の居る日常



◇◇◇



8月に入った。



部活に入っていない私は、家でいつも通りの生活をしている。


夏休み前に入っていた特別どこかに出掛ける予定は、大学のオープンキャンパスに行くことだけだった。


毎日、勉強して、買い物に行って、ご飯を作って、洗濯をして……。




いつもの長期休暇のように何もない日々が続いていくと思っていた。



――♪♪♪



『あしゅ、明日の午後って会える?』



リズミカルな振動と共に、スマホにメッセージが届く。
画面を見ると、通知から隼人のアイコンが目に入る。




『3時から6時位なら大丈夫』



『分かった Happinessで待ってる』



最近、よく隼人が私を呼び出す。






「こんにちはー」



「あ、いらっしゃい! 隼人は今日も奥にいるよー」



「ありがとうございます」



今日も相変わらず綺麗なお姉さんに挨拶し、奥の個室に向かう。




「失礼しますー……」



ドアをそっと開けると、隼人の背中が見えた。


「お、遅かったじゃん」



「いやいや、3時前に着いてるけど?」



「あれ、ほんとだ。もう3時半過ぎてると思い込んでたわ」



「あはは、どこ見てたの」



最近はかなり砕けた会話まで出来るくらいになった。


あの二日間から、明らかに私達の距離は近くなったと思う。


私は、隼人の向かい側に腰かけた。



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