残酷なこの世界は私に愛を教えた


◇◇◇



ま、それからは四人で麻由子が作ってきてくれた弁当を食べるのが日課になった訳で。



「おっ、愛珠ちゃーん! 遅いよー」



私以外の三人は全員2号舎で、いつも私が一番最後だ。
あ、たまに中田先輩が一番遅いときもあるけど。



「お、今日はサンドイッチだ!」



「なんか外だとピクニックみてえだな」



四人で過ごす時間は凄く楽しい。
だけど、何でだろう。何か物足りなく感じる。




「石橋さんは料理上手だなー。きっと良い奥さんになるね」



隼人が麻由子に笑顔を向ける。



「ええ、そんなありがとうございます」



麻由子も可愛らしい顔で笑う。

何気無いやり取り。
それなのに、何だろう。何かが喉に引っ掛かって取れないような、そんな感覚になる。



「今日は中田先輩が好きだって言ってたナポリタンですよ!」



「お、うまそー。いただきまーす」



それでもやっぱり四人で居る時間が楽しいと思う気持ちは本物で、もう良く分からなかった。





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