旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
（でも、いいのか？相手は俺よりも十も年下だぞ）


そもそも彼女が俺みたいなのを相手にするのか？
それに、社内にはもっと彼女に相応しい相手がいるんじゃないのか？

そっちと居る方が彼女にとっても幸せじゃないのか？
俺と居ても退屈なだけじゃないのか……？


少し迷ったが即決もしていた。
そんな相手がもしも居ても、俺の方に振り向かせてやる、とそんな強気で彼女に言った＿＿。



「酒井さん、俺と結婚して家の庭づくりをやりませんか……」



俺の申し出に彼女は唖然としていた。
頭の中でいろんな事を考えているみたいで、俺はその考えも迷いも取り払うように、きゅっと彼女の手を取った。


「俺と結婚しよう。絶対に後悔はさせないから」


君の思う夢もいつか必ず実現させてやる。そんな気負いが自分にはあった。
だから安心して嫁いできて欲しい…とそんな思いも込めて、「ね？」と微笑んでやった。




「はい…」


頬を染めて返事をしてくる彼女は本当に可愛くて。
俺は彼女に、「ありがとう」と言って返すと同時に、熱を帯びる頰に吸い寄っていた……。



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