旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
あのソープの香りは多分シャワールームに置かれてあるボディソープだろう…と説明を受け、思わず「ボディソープ!?」と声を上げた。
「微香性だから俺は殆ど気にしてなかった。でも、君は鼻がいいから敏感にあの匂いを嗅いだんだね」
せっかく内緒で始めてたのに…と残念そうにしながらこっちを見遣る。
「あの、私…」
何かとんでもない疑いを彼にかけちゃってたみたい。
よく考えてみたら、消臭剤とかボディソープとか、どっちも世の中には溢れ返っているのに。
(人工的な香りが苦手だからって、テスターを嗅いだこともないのが失敗だった)
お陰で要らない不安を抱えて疑心暗鬼に陥った。
皆藤さんを信じず、勝手に一人で嫌な気持ちに陥ってた。
もっと早く彼に香りについて訊いておけば良かった。
そしたら、こんなふうに彼を傷付けずに済んだのに__。
ズン…と落ち込んできて声が出ない。
自分の言葉も足りなかったけど、その前に私は、彼のことを深く知ろうとはしていなかった……。
「微香性だから俺は殆ど気にしてなかった。でも、君は鼻がいいから敏感にあの匂いを嗅いだんだね」
せっかく内緒で始めてたのに…と残念そうにしながらこっちを見遣る。
「あの、私…」
何かとんでもない疑いを彼にかけちゃってたみたい。
よく考えてみたら、消臭剤とかボディソープとか、どっちも世の中には溢れ返っているのに。
(人工的な香りが苦手だからって、テスターを嗅いだこともないのが失敗だった)
お陰で要らない不安を抱えて疑心暗鬼に陥った。
皆藤さんを信じず、勝手に一人で嫌な気持ちに陥ってた。
もっと早く彼に香りについて訊いておけば良かった。
そしたら、こんなふうに彼を傷付けずに済んだのに__。
ズン…と落ち込んできて声が出ない。
自分の言葉も足りなかったけど、その前に私は、彼のことを深く知ろうとはしていなかった……。