旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
私と別れようと本気で考えてる?
こんな別れ方なんて、こっちはまるで望んでもなかったのに……?


「私……」


声を発すると言ってはいけない事まで言いそうな気がする。
だけど、このまま何も言わずに、彼の言うがままになっていくのは嫌。

せめて自分の気持ちくらい彼に伝えておきたい。
あの庭で彼と過ごしたいと思ってデザイン画を描いたことや、一緒に月を眺めて語り合いたいと思ったこと。

迷惑でもいいからきちんと聞いて欲しい。

皆藤さん、私は……。



「私、貴方が好きなんです!」


思いきって声に出したら、そんな思いが飛び出した。
ビックリして目を見張る彼を視界に入れ、自分でも驚いたままで声を発し続けた。


「確かに庭も大事だけど、それ以上に皆藤さんと一緒にいることが大事なの!
貴方と一緒に庭を作って、出来上がりを一緒に喜び合って、次はこんな風にしたらいいねと話し合って、また頑張っていこう、と言い合うのが夢だった。

その為の場所にしたいと思いながら、庭のデザイン画を描いたの。
あの庭に立つのは克っちゃんとじゃなくて、皆藤さんだけだ、と私はずっとそう思ってた!」


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