旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。

「そんなに無理して夢を諦めようとしなくてもいい」


ちゃんと実現できる方法を俺なりに考えてる、という声にビックリしてしまう。
どういう事？と訊き返すと彼は笑顔になり、歩き出しながら提案を始めた。


「全部を一度に叶えようとするから無理があるんだ。だから、少しずつ現実にしていけばいい。

例えば、夏場は俺の仕事も若干時間が空くし、そこで長期休暇を貰って、新婚旅行も兼ねて君の憧れてる庭を見に行く。
それから留学は長期のものじゃなくて、短期の留学を繰り返すんだ。

少し調べてみたけど、ホームステイをしながらその人の経験に応じた指導をしてくれる所もあるらしいし、留学するにはある程度の語学力も必要になる。

俺は未彩がどの程度英語を話せるかは知らないけど、単身で乗り込むよりは一緒に行く方が何かと安心だと思うけど…」


要は一人では行かせたくないだけなんだ…と笑い、それに二人で君の夢を叶えると私の祖母に約束したから…と言い出したのでまた驚いた。