旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
「除草剤は液体タイプにすると散布用の器具もいるし、パウダーにするならそれなりに量も多くいるからゴミが増えます」


どっちにしますか?と問うと彼は迷うように、うーん、と唸り、自分は何も分からないから全部未彩さんにお任せするよ…と投げやってきた。


「俺、庭いじりとかやったことないから知識も皆無だし、そういうのは専門家に任せる」


それに自分はこれから仕事の関係者と会うことになってるから、悪いけど買い物も一人で頼むね、と言いだす。


「代金はこれで払っていいから」


そう言って彼が渡そうとしてくれたのはクレジットカード。

しかも綺麗なゴールドカラーで、それを見たこっちは一気に冷や汗を感じ、なかなか手が出せずに狼狽えてしまった。


「必要なものがあったら何でも買って構わないから。未彩さん個人の買い物もこれを使っていいし、食費もこれから出していい」


つまり、これは私が好きにしてもいいカードだと言うと皿を重ね、洗い物は頼むね…と言うと部屋へ着替えに行き、さっさとスーツを着込んで、「行ってきます」と言いながら玄関の向こうへ去って行った。



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