旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。

職場に着いた私は克っちゃんに、「いつから庭づくりが手伝って貰える？」と訊ねてみた。


「……お前、それ本気で言ってんの？」


呆れたような表情をする彼は、昨日も言ったけど結婚したんだろう…と言ってくる。


「何よ、結婚したら同僚に庭づくりの協力を頼んだらいけないの！？」


私一人じゃ重機は動かせない。それに、皆藤さんは全く頼れそうにもないのに…とムッとしながら睨み付けると、克っちゃんはビクッと顔を強張らせ、別にそういう意味じゃねぇけど…と声のトーンを落とした。



「そうだなぁ」


迷うようにカレンダーに目を向け、自分の予定を考え始める。
私はそんな彼の背中を見遣りながら朝の皆藤さんを思い出し、子供っぽい態度を取った自分を反省して小さな溜息をついた。


（もう少し、まともに返事してあげれば良かった……）


彼は謝ってたのに…と項垂れながら考えてると、振り向いた克っちゃんが、「平日がいいのか？」と訊いてくる。


「週末は旦那が家にいるんだろ？」