旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
両腕を抱え込むようにして背中を丸めて(うずくま)ると、そのまま少し意識が遠くなってしまい、どうしようと焦りながら庭の片隅でゴロンと体が横向きになった……。


(皆藤さん……)


助けて、と無意識に思いながらブルブル震える体をぎゅっと抱く。
抱き締めながら、どうして私はいつも一人きりでこの家に居るんだろう…と思うと情けなくなり、誰でもいいから側に居て…と、ポロリと涙をこぼして願った。



(私が望んでいるのは、こんな結婚生活じゃない……)


夫婦がお互いに笑顔で暮らして沢山話をすること。
そして、一緒に庭の手入れをして、作り上げた庭先でお茶を飲むこと__。



(それが理想だったはずなのに)


幼い頃から描いてた夫婦の形。
おばあちゃん家の様な庭で、一緒に花を育てるのが夢だったはず__。


(そういうの、やっぱり夢でしかないのかな…)


そう思いながら、スゥ…と意識が遠のくのが分かった。
ひょっとしたら私、このままずっと意識不明になるのかな…と、そう感じた。



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