涙のち、銃声
――――――
「ブレーキ痕はあったんですが・・
通報もしないで立ち去った点から、
“轢き逃げ”として捜査しています。
それから・・・状況的に、
車側の信号無視だと考えています。」
「車側の破損も激しかったのか、現場には破片も多数発見されていますので、
速やかに車種を断定して、
容疑者検挙に尽力致します。」
「・・・はい・・・すみません・・。
よろしくお願いします・・・!」
病院のベッドに眠る、もう二度と動かないお母ちゃんの体に顔を埋め、
お父ちゃんと警察官の会話を聞いていた。
“誰かに殺された”
とはこの時思わなかった。
“私が殺した”と自分を呪い続けた。
私が食パンを頼まなかったら、
私が熱を出さなければ、
私がこの世に生まれてこなかったら・・。
お母ちゃんは死ぬことなんて無かった。
お父ちゃんや従業員のみんなが目を真っ赤に腫らす事は無かった。