団子と野良猫

フィクションを信じていいですか

路地裏の暗闇を抜けると、そこには小さな雑貨店があった。

「三日月堂?うちの団子屋と同じ名前?」

建物も全く同じだった。
柱に彫った身長の跡も。
埃かぶった小さなサボテンの鉢も。

たった一つ違うのは、あの少女が屋根に寝転がっている事だった。

「……ねえ君_________」

此方の言葉は聞こえていないようで、彼女は欠伸をした後、屋根の向こうへ飛び降りていってしまった。

「……君、団子屋に来た_________」

そこまで言いかけた途端、視界がぐにゃりと歪み、頭には衝撃が走った。

何故か、酔ったような気分になった気がした。
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