COLOR





「な、つ、ないから………ん………」

「え?」


嫉妬心から無意識に執拗に攻め立てる俺を必死で優しく撫でる手にハッとする

めちゃくちゃにしてしまいたい衝動
他の男を消してやりたい欲望


止まった俺を安心してと言わんばかりに優しく撫でる手



「私の身体もなつしか知らないままだよ」

「え?」

「私も四年の間何人かと付き合ったよ
ごめん、手は繋いだし………キスも
でも、それ以上は触られるのも嫌だった
私だってなつ以外に抱かれたくなかったんだよ」

「冬華…………」

「だから、私も久しぶりなの………優しくして?」


箍と言うものを初めて知った



冬華の告白に強い嫉妬心が生まれる
手を繋いだだけ?キスだけ?
ただそれだけ?
バカな、それだけでも腹立たしい


でも、それ以上に

冬華も冬華の身体も俺しか求めてないだなんて
優しくして?なんて
そんな事言われたら脳内で崩れ落ちる理性
身体は正直だ


「キスだけでもムカつく、忘れさせてやる」


噛み付くようなキス
優しくしてって言われたのに、全然優しくない
箍がガシャンと音を立てて外れた途端に崩れた理性

めちゃくちゃにしてしまいたい
冬華の全てを…………


「んん…………」


この唇に、この舌に
触れてるのも、絡んでるのも俺だ
他の男じゃない
冬華は俺のだ





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