その時、オレンジジュースの香りがした。
私は、言葉の続きを必死で探した。
怒りと嫉妬と興奮に任せて。
ある一言が、頭に浮かんだ。
駄目だと心の中で叫んだときは、もう遅かった。
「私の心に住み着かないで」
那央は、ひゅっと息を吸い込んで走り出した。
しまった、とは思ったけれど、那央の書いた小説のようにまた話しに来てくれると私は信じていた。
…でも那央が取った行動は…。
「夕香!!那央ちゃんが!」
待っていたのは、小説のように輝かしい未来ではなかった。