絆 ~私は必要ですか?~ 【完】
「はい。わかりました。」
私は返事をして 九条さんの前に座った。
何を聞くことになるのか………不安だな………

「昨日 三浦さんと会った時 一緒にいた人は 玉井由衣香さんといって、玉井産業の社長の娘さんだ。
玉井産業って知ってる?」

一応 秘書課に籍をおいている私としては、知らないわけない………大手の会社だ。
「はい。知ってます。」

「玉井産業の社長と俺の父は 古くからの友人らしくて、酒の席で お互いの子供を会わせてみようって二人で盛り上がったらしい………」

「お見合いって事ですか?」

「親達は食事会とは言ってたが、まぁそうなるかもな。
昨日 急に連絡がきて、呼び出されて 断りきれず行ってみたら 玉井親子がいて俺もビックリした。」

ということは………
「結婚前提………ということですよね?」

「違う!!俺の父は 盛り上がって引けなくなってしまったからとりあえず………という感じだな。
ただ、玉井さんはうちと繋がりがほしかったから………だろうと思うが。」

「繋がり………ですか?」

「ああ。俺の父は 九条コーポレーションの社長だ。俺も 今 そこで専務として働いている。」

私は開いた口がふさがらず何も言えなかった。

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