絆 ~私は必要ですか?~ 【完】

過去 私達の結婚

私達が付き合い始めて4ヶ月ほどたった。

禅さんは ("九条さん"と呼ぶとイヤがって すねてしまって口をきいてくれなくなるから名前で呼ぶようになりました。) 九条コーポレーションの専務なので、仕事が忙しくてなかなか思うように会えないけど、時にはケンカもするけど楽しい時間を過ごして、順調な付き合いをしていると思う。

そんなある日 私は仕事で長谷川専務に同行して取引先にきていた。

取引先から社に戻る為 受付で退社の手続きをし出口に向かい階段を降りようとした時、取引先の方が専務を引き留め話をし始めたので、私は通行の邪魔にならないように端に寄って話が終わるのを待っていた。

「すみません。三浦柚希さんですか?」

声のした方を見ると、見覚えのある女性が立っていた。
懸命に記憶をたどって思い出したのは、以前 礼子と飲みに行った時 禅さんと一緒にいた人だと………

「前に 禅さんと一緒にいる時に お会いしたことがあると思いますが、私 玉井由衣香と申します。」

「はい。覚えています。何かご用でしょうか?」

禅さんは あの時 断ったと言ってたのに 何で私の所に?偶然なのかな?
なんて思っていると………
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