絆 ～私は必要ですか?～ 【完】

「どういうことですか？詳しく話していただけませんか？」
柚希の父親が聞く。

「娘が柚希さんに、禅君と別れるようにお願いをしに会いに行ったそうです。
柚希さんは それを断ったそうで、それに頭にきて突き落としたと娘は言っています。
本当に申し訳ありません。」
玉井家の両親は 頭を下げて謝罪しているが、娘は反省どころか

「ちょっと押したら階段から落ちちゃったの。
けど、仕方ないじゃない！私が言っても別れないって言うんだから！
そもそも 一般市民が玉の輿にのろうとするのが間違いなのよ。」

腹が立ちすぎて言葉も出ない。
そんな理由で柚希は痛い目にあって………俺達の子供まで………
絶対に許さない！この女！

「玉の輿にって柚希にそう言ったのか？」
俺が聞くと、嬉しそうに

「ええ。言ったわ。あの人がいたら私達 婚約できないでしょ？」
何を考えてるんだ この女は………
隣にいる誠も 苦虫を潰したなんとも言えない顔で見ている。