絆 ~私は必要ですか?~ 【完】
「本来なら柚希に直接話すべきことですが、俺が間宮から聞いた話は違っていて、三年前の誠の会社のパーティーからしばらくは体調不良が理由だったんです。そしたら、柚希は本当は会食やパーティーに同行したくなくて、俺の隣にいるのもイヤだから自分の代わりに行ってほしい………と頼まれていたんだ。って報告があったんです。」

「それを真に受けて秘書を代わりに同行させる様になったんだね?」

俺は黙ってうなずいた。するりと今まで黙って聞いていた登和が

「じゃあ なんで母さんに確認しなかったんだよ!今までの父さんなら人の言葉を真に受けず、必ず母さんにどういう事か聞いていたよな!」

登和の言うとおりだった。どうして間宮の言うことを真に受けて柚希に確認しなかったんだろう。
自分の不甲斐なさに情けなくなり頭を抱えた。

「お母さん いつも泣いてたよ。私達の前ではいつも通りに笑顔で振る舞っていたけど、誰もいない部屋で声を殺して………
それに、お父さんと話そうとしてた………でもお父さん出張とか仕事とか言ってお母さんを避けてたよね?」
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