初恋 ~頑張る女子と俺様上司の攻防戦~
はじめは変わった子だと思うだけだった。
面接の席で俺の設計した建物を批評して見せたのはあいつが初めてだった。
もちろん、アルバイトでクラブ勤めをしていると知り、身持ちの悪い子なのかと軽蔑したりもした。
でも、知れば知るだけ惹かれてしまった。

「どこがそんなにいいんだよ?」
完全に敬語がなくなって、友人に戻ってしまった春樹。
「うーん、かわいいじゃないか」
「悪趣味だな」
「そうか?」
「ああ」


「あいつにはしっかり叱っておいた。首の皮一枚と分からせてもある。だから」
「分かったよ。もうしばらくいじめてやる」
「ああ、頼む」

やっぱり、頼れるのもの本心を明かせるのも春樹だけだ。
< 91 / 233 >

この作品をシェア

pagetop