神在(いず)る大陸の物語【月闇の戦記】<邂逅の書>
邂逅の書

~序節~

 遥かなる昔、まだ小国であったその国には、王家に仕える二つの一族があった。
 一つは、蒼き魔狼を起原に持つといわれるロータスの一族。
 そして、一つは、朱(あか)き魔獅子を起原に持つと言われる、アーシェの一族。
 その両者とも、一族の中には必ず、強大な魔力を持つ者が産まれ出ずるのだという・・・・
 ある年、アーシェ一族の首長の元に、双子が産まれ落ちた。
 兄の名はラグナ、弟の名はオルトラン・・・・
 やがて、成長した兄ラグナはその強大な魔力を用い、闇の魔物を引き連れて王家に反旗を翻した。
 ロータスの一族と、弟オルトランが率いる同族達と、一年にも及ぶ激しい戦いを繰り広げ・・・・
 ラグナは、魔王としてその首を討ち取られる事となる。
 絶命を前にしたラグナは、ロータスのラージ・ウァスラム(大魔法使い)レクリニクスと、弟オルトラン、そして王に向かって呪いの言葉を吐きかけた。

『時を越えて、我が一族に再び双子が産まれ出る時・・・・
我は必ずやおぬし等も、この国も撃ち滅ぼしてくれよう!!』

魔王と呼ばれた青年は、自らの魂に呪いをかけ深い闇の底で長き眠りに就いた・・・・

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