お前がいる場所が、好き。Ⅰ
好きになったのが、君で良かった

土曜日になり、学校が休みになった。


今日は奈緒も美咲も予定があるので、メールをしても何も返ってこない。予定がないのは、わたしだけだ。


何をすればいいのか分からない。


……あ、そういえば。


わたしは、急にあることを思い出した。



「ねえ、お母さん。湖に行ってもいい?」



わたしは、ブラックコーヒーを飲んでいるお母さんに聞いた。


わたしは、湖に最近全く行っていない。それは、お母さんに行くことを禁じられていたからだけど、もう解決したことだ。


ただ、寺本がいないといいなとは思った。けれどまあ、今日行けたとしても寺本はそういうことを知らないし毎日居るわけでもなさそうだ。


会ったとしても、見つからない場所に行けばいい。



「いいわよ、気をつけてね」



「はい!」



わたしは、満面の笑みで頷いた。




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