お前がいる場所が、好き。Ⅰ

塾から帰る時、いつもわたしは奈緒と美咲の3人だ。



「ねえ、今日のプリント難しくなかった?」



美咲が言うと、わたしと奈緒は何度も頷いた。さすがの奈緒も難しかったのか。



「確かにね、2問分からなかった。その他は全部解けて正解だったけど」



「2問だけ? わたしなんか、4問も間違えちゃったよ」



奈緒が言うと、美咲がすごい声を上げた。わたしも驚いた。あれだけ難しかったというのに、出来なかった問題はたったの2問だなんて。



「やっぱり奈緒は、すごいね! あれで2問間違えなんて、きっとわたしだったら喜んでたよ」



「わたしも!」



ちなみに、わたしも美咲と同じく4問間違えた。10問あり、最初の問題と、3問目の問題と、7問目の問題と8問目の問題だ。



「だよね、だよね! 沙織は、どこ間違えた?」



「何個か間違えたんだけど、1つあげるとしたら3問目のとこ! ケアレスミスだった」



「わたしは最後の問題! あそこ、小数出てきたもん」



確かに最後の問題には、小数が出てきた。ちょっとややこしかったけれど、わたしはなんとか解くことができた。



「奈緒、今度勉強やるとき、あそこ教えて」



「いいよ!」



奈緒も2問出来なかったようだけど、わたしはもっと間違えているので、教えるのが彼女でも、全然大丈夫だ。




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