【完】君と一生を
第四章 気持ちよ届け

家族





シンはすぐ行動に移した。

ファミリアの元へ行く。

しかしファミリアは王女だ。

取り合ってくれないかもしれない。

でもこの気持ちを伝えたい。

伝えても何も変わらないかもしれない。

でもこのままここにいたらもっと変わらない。

俺は、ファミリアの隣にいたい。

シンは身支度を終え周りを見ると外は明るくなっていた。

そろそろ行くかと外に出る。

するとそこには、


「ロン、リン、レン、カミーユ。

皆なんで…」


「俺は王と酒でも飲もうとな。」


「久々に外に買い物をと思ってね。」


「僕友達作る!」


「一年中暖かい所があると聞いてな。」


皆口々に理由を言っていく。


「皆…。」


「シン…一人で行くなんて、言うなよ?

俺達は、血は繋がっていなくとも、家族だ。」


ロンがシンに笑いかける。


「えぇ?!血が繋がってないの?!」


皆一斉に声の主、レンの方へ向く。


「…わしら形が違うじゃろ?」


「・・・。

はっ!ほんとだ!気にしたことなかったよ!

だって父ちゃんは父ちゃんだし!

お母さんはお母さんだし!

シン兄ちゃんはシン兄ちゃんだし!

カミーユ兄ちゃんはカミーユ兄ちゃんだし!

皆家族だし!」


「レン…、ふ、ふふ、ふははははは!

そうだな、そうだ!家族だ!俺ら皆…家族だ!」


皆笑った。

こんなにも種族は違うのに。

でも、皆本当に家族だ。

こんなにも心を通わせ、助け合い、信頼し合い、愛し合っている。

これが家族と言わずしてなんと呼ぶ。


「ここに居る皆、皆家族だ。

そしてファミリアも、俺は家族だと思ってる!」


『当たり前だ(わ)(よ)(じゃ)!』


「皆、行こう!

ファミリアの元へ!」


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