黒王子に恋をして。

莉玖side

保健室を出たら茜が立っていた。





「莉玖、なんでまたあの子を選んだの?」





そう聞いてくる茜の表情は酷く冷たいものだった。

目には多少だが怒りがこもっているように見える。





「しらねぇーよ。直感だ」





俺が出ていったあとに続き、梓も出てくる。





「なんでお前がいんの?」

「なんかゆきちゃんに連れてこられた」





そう言う茜の表情はさっきとは違い、柔らかいものだった。

しかしそれが急に真面目な顔つきに変わった。
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