黒王子に恋をして。
私の目の前に来る藤咲くん。

そして私の顎をクイッと持ち上げ、





「俺の前だけでその笑顔、見せてよ」





キスされるんじゃないか、そう思うくらいの近い距離。

思わず顔が赤くなってしまう。





「おい莉玖、人のに手出すんじゃねぇ」

「梓、ここ教室だぞ」





茜くんが止めに入る。

教室内の空気はとても重く、張り詰めている。

あの時のようなことはもうやめて欲しい。
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