夏色の初恋を君にあげる
グラウンドの近くにある屋外の部室は、あたりが暗い上にみんな帰宅してしまったためひっそりとしていた。
「じゃ、ちょっと着替えてきますね」
「荷物、持ってようか?」
「ありがとうございます」
私にスクールバックを託すと、由良くんが部室に入っていった。
図書室からは見えなかった部室を前にすると、由良くんの新たな一面に踏み込めた気がして、胸の奥がくすぐったくなる。
由良くんが手を引っ張って、連れてきてくれるみたいだ。
「お待たせしました」
やがて制服姿になった由良くんが、部室から出てきた。
「さ、帰りましょ」
「うん」