夏色の初恋を君にあげる
「え?」
本心は抑えなきゃ。身を引かなきゃ。
そう決めたのに、やっぱりむりだった。
こんなにも大きく膨らんでしまった気持ちを、力尽くで押し殺すことなんてできなかった。
裏切られていたらという恐怖心なんかよりも、この恋心を偽りたくないという気持ちが勝ってしまった。
だって、幸せだった。
由良くんと重ねた時間は、気づけば私にとってかけがえのない尊いものになってしまっていたのだ。
ごめんなさい。私なんかがあなたのことを好きになって。
釣り合わない恋心を抱いてしまって――。
想いとともにあふれる涙を両手で必死に拭っていた、その時。
不意に伸びてきた手に腕を掴まれた。
そしてあっと思った時には、有無を言わさぬ強い力で腕の中に引き寄せられていた。