夏色の初恋を君にあげる


「凛子さん」


思案を遮るように聞こえてきた、あまりにナチュラルに私の名前を呼ぶ声に、ドキンと心臓が反応する。


「は、はいっ」


「凛子さんの誕生日と血液型は?」


「え? 4月16日生まれのA型、だけど……」


急な質問の意図が分からず、首を傾げながら答えると、手にした本に視線を走らせていた由良くんが「お」と声をあげた。


「凛子さんと俺の相性、95%だって」


「あ、相性……っ?」


「高」


なんでもないことのようにさらりとそう言って、どうやら相性診断だったらしいその本を食い入るように読みこむ由良くん。


だけどこっちからしたら、とんでもない事態だ。

急激に顔が赤くなっていくのを自覚して、私は気をそらすように立ち上がった。

そして、まだ施錠時間までは時間があるものの鍵を閉めようと窓に向かう。

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