キミ、依存症


周りのひそひそ話が嫌でも入ってくる。


『付き合っている』という噂があっという間に広まってしまったのだ。


あの日の放課後の出来事を思えばそう勘違いする人もいる。


あんなに堂々とキスなんてするなんて、どっからどう見ても付き合っている人のやることだって…。


最初の方は聞かれても否定したりしていたけど、ここまで広まると否定するのも面倒になってきてしなくなった。


そのうえ、先輩がいつも隣にいるから弁明の余地もない。


「先輩、迷惑です!」


と、何度言っても先輩は聞く耳も持たずに毎日会いに来た。


だけど、運が良かったといっていいのかわからないけど、佐藤先輩といるときはハルと会うことはなかった。



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