危険な恋の始めかた

だけどそのまま見つめていたら、そのうちショウタくんにあたしの存在を気づかれた。


「…あれ、どうしたの?」

「!」


いきなり、顔を上げるから。

逃げるタイミングを失って、こっちがビックリしてしまう。

だけど、気づかれたんなら仕方ない。


「や…お疲れ様って声かけようとしたら、何だか思い悩んでるように見えたから。ショウタくん」

「え、僕?そう?」


…ついさっきまでは本当に心配になるくらいの顔をしていたのに、あたしの存在に気付いた途端にショウタくんはいつもの調子に戻る。

ほら、またそうやってとぼけた顔。

どれくらい悩んでいたんだろう。作業が進んでないみたい。

あたしは内心そんなことを考えながら、またショウタくんに言う。


「あ…もしかして、お客さんに悩んでた?ケーキ目当てじゃないもんね」

「…」

「でも、あたしはショウタくんが作るケーキ好きだな。見た目も可愛いし、もちろん味も完璧だから!毎日食べたいくらい!」

「…」

「だから…ほら、元気だしてよ」


あたしはそう言うと、ショウタくんの気持ちを知ってるかのように励ます。

するとショウタくんは、あたしと目が合った瞬間に優しく笑って…
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