好きになっては‥‥いけない人

大輝····

芹那が・・・花の・・姉?

慌てたように
俺達の脇を通り抜けて
車に向かう芹那

追わないと不味いと思い、
挨拶もそこそこに車に乗り込む。

中々、芹那に追い付く事ができずに
いた・・・

前方に・・
側溝に突っ込んでいる車があった

芹那の車だ・・・

慌てて駆け寄ると
エアバックが開いて
芹那は、右側の窓に持たれて
頭から血を流していた。

車から芹那を出して
救急車や警察に連絡した。
「芹那!芹那!!」

救急車で運ばれていく芹那
「あなたも一緒に来て下さい。」
と、救急隊員に言われ
搬送先の病院を確認して
直ぐに向かった。

病院につくと
丁度、芹那は手術室に入っていく所で
俺は、手術室前のベンチに座りこんだ。

芹那の両親が見えますと
警察官と救急隊員と看護師が
話しをしていた。

パタパタと走る足音が聞こえ・・

すると、男性から
「君は?」
と、言われて顔をあげる
芹那のお父さんか?
回りを見回すと
ああ、芹那のお母さんと
・・・花・・・


花の動揺している顔をみて
すぐに目をそらした

芹那は、スピードを出しすぎていたのか
ブレーキをあえて踏まなかったのか
わからないが・・・

だが、ガードレールと側溝のお陰で
大惨事にならなかったようだ・・

芹那のお母さんに
帰宅するように言われて
マンションに戻る

マンションの中を見回して
さっきまで、花とあんなに
楽しく過ごしていたのに・・・

花に電話するが
花が電話に出ることもなく
折り返しかかってくることも
なかった。

次の日の夕方に
芹那の病院に行くが
芹那の意識は戻っていなかった。

お母さんと少し話をして
マンションに戻り
再び、花に電話するが
やはり・・でない・・

『花、電話にでて』
『声を聞かせて』
『ちゃんと、寝てるか?』
『ちゃんと、食べてるか?』
LINEも‥‥既読にも・・ならない。


俺は・・・
どうしたら、良いのか
わからなかった・・・
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