甘くてやさしくて泣きたくなる~ちゃんと恋したい
14.彼のためにできること
14.彼のためにできること


その翌週からは、予告通り安友さんのスパルタ個人講義が始まった。

毎日、仕事が終わった後、専門学校の個室で20時~22時まで。

安友さんの手が空かない日は、彼女に頼まれた講師の方が代わりに指導をしてくれた。

土日は、安友さん宅で午前中みっちり三時間の講義。

さすがに毎日ともなると、夜は帰ってすぐにベッドに倒れ込むように寝てしまい、朝はくらくらする頭をなんとか起こして出勤した。

でも、これを乗り切らないと来年トリマーにはなれないんだ。

忙しい安友さんが私のために割いてくれてる時間を思うと弱音なんて吐いてはいられない。

あのクスノキの前で誓ったんだもの。きっと大丈夫。私のそばにはいつも樹さんがいてくれるんだから。

彼はどんなに忙しくても、毎日メールか電話をくれた。

彼もまた新しいデザインの仕事に取り掛かりはじめ、パーソナル・サポートの仕事は自分の後輩に一部手伝ってもらっているらしい。

もう少し人員を増やし、パーソナル・サポートの仕事ももっと充実させたいと言っていた。後輩たちにも是非この仕事を通して、人生のデザインが何たるかということを学んでほしいと。



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