桜の木に寄り添う

着信

よっちゃんからの突然の告白に、やっぱり驚いてしまい動揺してしまう。

 あービックリしたよぉ……。
 まさか、よっちゃんからあんな事言われるなんて……!

 最近色々なことが起こる。
 自分の中で前とはあきらかに何かが違っていた。

 部屋に戻り、しばらくすると携帯に着信があった。

 携帯を覗き見てみると……。

「はい、どうした?」

 相手はコウちゃんだった。

 きっとよっちゃんの事を言われるに違いない。
 そう思った。

「 よっちゃんから実は、相談受けててさ。なつの事、ずっと好きだったみたい。なつは鈍感だから気づいてなかっただろうけど 」

 そうだったんだね。
 私……鈍感だったんだね。
 全然気づいていなかったなんて、ひどいよね。

「 私はなつの味方だから、つらくなったらまた連絡しな!」

 コウちゃんは、いっつもいっつも味方でいてくれる。
 そして、優しく励ましてくれる。
 別れてからもずっと仲良しでいてくれる。
 コウちゃん、ありがとう。

 たわいもない話も混ぜながら1時間くらいで電話を切った。

 よっちゃん、笑顔でいてくれたけど、私が帰ってから荒れてしまったらしい。
 お酒の強いよっちゃんが、酔っ払うのはそれはそれで珍しかった。

 ……でも仕方ないよ。


 よっちゃんは、大切な友達の一人だもん。
 だから友達としてしか、やっぱり見えない。


 そして、ずっと友達でいたい。

 窓の外はどしゃ降りで、屋根に当たる雨の音がいつもより、激しく聞こえた。


「なつ!ちょっとリビング来てー!」

 部屋にいる私をお母さんが大きめの声で呼んだ。
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