桜の木に寄り添う

旅行

何日か嫌がらせの手紙は続いた。

 私は誰にも言わずにそのままにすることにした。
 何もなかったかのように振る舞えば、きっと大きな事にはならないだろう。

 ーーーーーー
 休みの日になり、みんなで決めて楽しみにしていたプチ旅行に行く。
 サービスエリアで、期間限定スイーツやら色々つまみ食いしながら私たちは、東京へ向かった。

「今日、途中で自由時間ね!」

 リエが思いついたような顔をして言った。

「やっぱり。彼氏に会いに行くの?」

「まぁね!」

「じゃうちらは、どこ行こうかな。」

「私も一人でいなくなる!」

「コウちゃんも?」

「二人で楽しんでおいで。こんなことあんまりないよ!」

 最近、あのメモのこともあって現実逃避をしたかったから、この旅行がありがたかった。


「今日さ、泊まっていこうよ。せっかくだから!」

「泊まるところ、探してきてないよ!」

「俺の知り合いのマンションがある。そこなら無料で泊まれる。」

「ヒロキ、さすが!」

 なんだかあっという間に、うちに東京へ着いた。

 みんな早々にいなくなり、二人で先にそのマンションへ行くことにした。

「何、このマンション!!」

 田舎では見たこともないような高層マンションだった。
 エレベーターで上に上がり、部屋へ。

「すごすぎる!」

 ホテルみたいだ。景色もすごい。

「この景色ずっと見てられる!」

「テンション上がりすぎ 」

「すごすぎるよ!ホテルみたい 」

「荷物置いて出かけよう 」

 荷物を置き、二人で外に出た。
 玄関の外に、可愛くてお洒落な、女の子が立っていた。

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