Fake!!(フェイク)~漆黒の魔導師と呪われた乙女の物語~
(まったく、調子のいい親父だぜ。)

俺は親父のバカ話に付き合いきれなくなり、肩を竦めるとトーストにかぶりついた。
トーストを飲み込みながら、エドガーの顔色をうかがうが、際どい会話が飛び交っているにも関わらず、奴は涼しい顔で食事を続けていた。


(変な奴!)

ホントに変な奴…って言うか変な親子。
世間一般の家庭が皆こんなのだったら…世の中終わってるな。
そう思いながら、俺は三枚目のトーストに手を伸ばした。


キンコーン、キンコーン

家の玄関の呼び鈴が鳴った。
耳を澄ますと“王室よりの書状を届けに来た”と、使いの者が話しているのが聞こえた。

いよいよ、国王からの三つの課題が届いたか…。

俺達の…いや、俺の運命の扉が音を立てて開いた…そんな気がして、俺の胸は、ドクドクと激しく鼓動した。
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