あふれる笑顔
「ヨシ、着いた。」

連れて来たのはショッピングモール。

「誕生日プレゼントは、後日用意するけど……
取りあえず、明日の服と下着を買いに行くぞ。」

2日間同じ服を着る訳にもいかず

急遽、買いに来た。

「でも…………」

服を買うことさえ、遠慮する咲。

必要経費だと言っても、買おうとしない。

「だったら
下着込みで、全部俺が選ぶぞ。」

そう言い残すと、一軒のランジェリーショップに入る。

「ちょっ。
ちょっと……………圭ちゃん!」

慌てて着いてくることを、確認しながら物色していると

「ちゃんと選ぶから、あっちで待ってて。」と

表を指示された。

「値段なんて気にしないで、好きなのを選べよ。」

頭を撫でて出ていこうとすると

「お客様、お二人で選ばれても構いませんよ。
彼氏好みの下着をつけてみるのも、楽しいですよ。」と

店員が声をかけて来た。

「だってさ!」

俺と店員の言葉に、益々夜の逃げ場がないと考えたであろう咲は

ぎこちなく微笑んで、選ぶことに集中している。
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