ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
画面を一通りスクロールしてから、ホテル関連の記事を消そうとした時だった。
『リーズグループ会長がテープカットに参加』
古い見出しが目に留まった。
それは、今から10年以上前の記事で、シェルリーズホテルが六本木にオープンした時のもの。
なかなか、総帥の顔がわかる写真にたどりつけなかったけど、もしかして……と考えながらクリックしてみると。
期待通り、彼がオープニングセレモニーに参加している写真が掲載されてる。
テープカットの直後みたいだ。
キャプションによると、中央に立っているのがフレデリック・リー氏ってことだけど……
「へえ……なんか、イメージと違うかも」
名前から、欧米の血でも入ってるのかと想像してたけど、生粋のアジア人の顔立ちだ。
睨みつけるような眼差しが特徴的で、端正、というわけではないけれど、独特の風格がある。若い頃は、結構イケメンだったのかもしれない。
でも……
オープニングセレモニーっていうおめでたい場所なのに、その表情には欠片も笑みがない。周囲で手を叩いてる来賓たちとは、とことん対照的だ。
つまり印象としては……
「頑固そー」
その一言に尽きる。
写真の日付を見ると、たぶん彼がまだ50代の頃だと思うのに。
形状記憶されてしまったような深い皺が、その風貌を老成させているようで。
気難しく、とっつきにくい印象に見せている。