只今、愛の診察中につき。

キィッと少しだけ扉が軋(きし)む音がして
びくつきながらもソロォッと店内に入り込む。

途端に鼓膜が揺れるぐらいの激しい音楽にビックリして思わず耳を塞いだ。

店内にいるお客さんの殆どはその爆音に気持ち良さそうに身体を揺らしながらアルコールを飲んでいる。

…ここは、バーと言うよりもクラブの類いなんじゃなかろうか。

入り口で固まっていると、叶と匹敵するぐらい派手な銀髪の男の人が笑みを浮かべたまま近寄ってきて、

「いらっしゃいませ。」

と、頭を軽く下げ

「お客様、おひとりですか?」

柔らかな物腰で聞いてきたので
わたしもほんの少しだけ肩の力が抜けて

「あ、はいっ」

と大きめの声で答えた。

すると、銀髪のひとは少し間を開けてから

「…失礼ですが、年齢確認出来るものはお持ちでいらっしゃいますか…?」

「…へ?」

ね、年確ですかっ!!?



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