只今、愛の診察中につき。

視界がフッと暗くなったと思ったら、
唇に何か柔らかいものが触れた。


ーーーーーえ?


それが、叶の唇だと解るまで
少し、時間が、かかった…。


わたしが瞬きさえ忘れて叶を凝視していると
叶はその綺麗な瞳を切なげに揺らし、もう一度そっと触れてきた。

わたしがされるがままだと解ると
それは何度も繰り返され、段々と深いものへと変わっていく。

何度目かの接吻(くちづけ)の後、ようやく我に返ったわたしは、

「っ叶!!待ってっ…、んっ…!」

抵抗しようとするけれど、もう遅かった。

もう、叶を止められなくて、

もう、わたしの知っている「幼馴染み」の叶じゃなくて、「男」の叶がそこにいたーー。

「響…っ」

今まで叶がわたしを呼んだどの声よりも消え入りそうなぐらい弱く切なくて。

なのに、わたしをまさぐるその手は狂おしい程にわたしという「女」を強く求めていて。

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