愛を知らない私を愛して
「クソ……」
ごめん……ごめん、依茉ちゃん……
〜♪
その時俺のスマホから着信音が鳴る。
表示された電話番号は莉子のものだった。
「……窪田さん、電話」
「……ああ、ごめん」
俺は病室をでて電話に出る。
「……もしもし」
『渚、今病院にいるでしょ?』
「……なんで知ってるんだよ、依茉ちゃんを押したのおまえだろ!? 言ったよな、依茉ちゃんに手だすなって!」
『アハハ、渚がそんなに取り乱すなんて珍しいねほんとに。……そうだよ、私が押した。だってあの子消したら渚、私しかいなくなるでしょ?』
「おまえ……ふざけんな! 今どこにいんだよ、教えろ!」
『病院の外にいるよ、顔が見たい、渚』
「そっから動くなよ!!」
プッと電話を切って俺はスマホを握りしめる。