愛を知らない私を愛して
……アイツ……いかれてる……!
俺はそのまま勢いよく病院の外へ向かった。
病院を出ると莉子の姿があった。
「おまえ……!」
俺は莉子を見るなり胸ぐらを掴む。
「……渚、そんなに怒って……そんなに私がしたこと許せない? ちょっと押したらあの子が勝手に落ちただけじゃない」
「……うるさい。おまえどうかしてるよ!」
「私は渚が好きなの。渚しか想えない。渚を手に入れるのなら手段も選ばない……」
「依茉を傷つけて俺がおまえのとこに戻ってくると思うか……?」
「思うわ。あの子が大切なら渚だって私と同じで手段は選ばないでしょ?」
「……何が言いたいんだよ……」