愛を知らない私を愛して
私がそう言うと依智兄はガーン……と金槌で頭を打たれたような顔をした。
「ひどいよ依茉……建築業に女の子がいると思う……? いてもほとんど襲われそうになった子ばかりだから信用ならないよ……」
「あー……」
依智兄は私と瓜二つなので容姿だけはいい。
だから昔から無駄に女の子にモテてストーカーされまくっていた。
そのせいでシスコンで彼女できないんだけど……
……黙ってればかっこいいのに……もったいない。
「でも30で彼女もいない独身ってやばいよ」
私はそう言って部屋に入りバタンとドアを閉めた。
「え、依茉……俺のことそんな風に思ってたの……!?」
扉の外から依智兄の声がしたが私は無視をした。