アンバランスな関係
「手当は俺がする
光汰は夕飯のピザでも
頼んでおけ」

救急箱を荒々しく取り上げると
瑛ちゃんは
私の腕を強く掴んだ

引きずられるがまま

私は瑛ちゃんの部屋に連れ込まれた

部屋のドアを閉めると
瑛ちゃんが鍵をしめた

「鍵をしめる必要はないでしょう?」

「脱げ」

「嫌だ」

「脱げ」

「嫌だ」

瑛ちゃんが無理脱がそうと
手が伸びてくる

「どうせ
全身、怪我してるんだろ!」

「手当は光ちゃんにしてもらったから
もう平気なの
痛くないから
夕飯作る!」

「夕飯は作らなくていい
光汰がピザを頼む
怪我してるのに
無理はするな」

暴れても
瑛ちゃんには勝てない

力は瑛ちゃんの方が上だ

瑛ちゃんの怒りを鎮めるには何が一番効果的?

「瑛ちゃん
そんなに私の体を見たいの?」

瑛ちゃんの手が止まった

「怪我したのは
瑛ちゃんのことが好きな人に
保健室に行くなって言われたから

具合悪いのに
保健室に行けないなんておかしいって
反論したら
こうなったの」

瑛ちゃんが唇を噛んだ
悔しそうだ

思い当たる節でもあるのかな?

「たぶん、体は痣だらけだよ
スタイルの良い女性ばかり知っている
瑛ちゃんには見せられないよ
見せたくない」

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