幼馴染は恋をする
「……本当はね、二年はダミーで、本命は貴浩君なんじゃないかって言われてるの、知ってた?」

「ブッ、ゲホ、ゴホゴホッ」

…。

「アッハ、大丈夫?勿体ない……こんなにこぼしちゃって。……待って、はいこれ使って」

ハンカチを渡された。帰ったら直ぐ洗わないとね…と、ササッと腿の辺りを手で払われた。ぅお、動揺するな俺…。
ドキッとさせて…何の事だよ。

「ん゙、サンキュ、もういいよ。それより…何だよ、さっきの」

「…あのね、ごめん。私が噂、立てちゃった。どう?自己防衛?なると思う?」

……は?どうやってだ。

「二年の女子の机にね、メモを入れて置いた。凄い?いい思いつきだと思わない?」

思い切ったことしたもんだな…。

「かー、だけど、そんな事したら、アイツが悩むだろ。必死で俺が本命だ、ってなるだろ」

犯人捜しとかしだすと厄介だ…。

「だと思う。私がしたとは言ってない。それより貴浩君が迷惑?」

お、……俺は。しかし、大事なことっていうか、話してないのか。会って話してることって、何話してんだ。二年の女子のことは、言ったらややこしくなるからか。はぁ…サッパリ解らん。まあ、アイツが止めろとか言ったら、また当たりが強くなるかもってのもあるか。
二年には二年の、学年全体の仲を変にしちゃ駄目とか思ってるんだろうな。

「じゃあ、上手くはまってるかもな。こうやって帰ってる事が証明になってたりして」

ズー、ズズー、あ、飲みきった。

「そう。一緒に帰るようになって閃いた、フフ」

フフッてな。そうだったのかよ。だけど、どうせ直ぐ解ることだからな。

「嘘って、…嫌?…困る?」

「困りはしない、大丈夫だ」

「そう……良かった、勝手にごめんね」

「大丈夫だ」

…嘘って嫌……。?、……深読みしたら駄目だ。本当だったらいい?って聞いてるんじゃないよな…。嘘という事が嫌な事だって聞いてるんだから。

「なあ、それって、旨いのか?」

朝は食べたいと言っていたワッフルを頬張っていた。

「あぁ、これ?美味しい、か、な?」

「なんじゃそれ。食べたくて買ったんだろ?」

「一応、殆どの人が美味しいって言ってるモノは一回くらいは試してみたいから?」

あぁ、そういうことね。

「はい、食べてみて?…どう思う?」

朝が、食べていた反対をこっちに向けた。

「……う、ん」

試してみた。

「…んー、普通?普通に上手い」

「そう、特にはね、……普通だよね。はい、これも」

ん?
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