新・イジメ.COM
「それで、まさかと思って学校内を歩いて調べてみたんだけど、あちこちに監視カメラが仕掛けられてた」


そのことばにあたしは目を丸くして畠平さんを見た。


冗談を言っているようには見えないし、笑えるような冗談でもない。


「あちこちって?」


渚が眉間にシワを寄せてそう聞いた。


「各教室に3つ。各階の廊下に2つ。階段にも、死角ができないように設置されてた」


そんなにスラスラと答えられると言うことは、やっぱり嘘じゃなさそうだ。


「でも、あたしたちは気が付かなかったよ?」


あたしは慌ててそう言った。


そんなに沢山の監視カメラがあれば、あたしたちだって気が付くはずだ。


「すぐに見つけられるものもあったけど、よく確認しないと気が付かないカメラもあった。カメラの存在を隠したいのか見せたいのか、わからなかった」


畠平さんはそう言って大きく息を吐きだした。


「まさか、この寮内にも……?」


不意に不安になってそう呟き、談話室の中を見回した。


あたしたちが街で見かけているようなカメラは見当たらない。
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