ストーリー
☆☆☆

翌日。


明日香が無断で学校を休んだとして、同じ部活のあたしは数人の生徒たちから声をかけられていた。


「明日香ちゃん、今日はどうしたの? 風邪でもひいたの?」


そう聞かれると、あたしは首をかしげて「さぁ。あたしもなにも聞いてないの」と、返事をした。


できるだけいつも通りの演技をしていたけれど、さすがに食欲はでなかった。


明日香の、力なくダラリと垂れ下がった体を思い出すと、吐き気すら感じた。


命を失った体は異様だ。


それでもどうにか放課後まで我慢して、あたしは部室へ来ていた。


今日はまだ誰の姿もない。


昨日あんなことがあったばかりだから、修人も和人も来ないかもしれない。
< 72 / 195 >

この作品をシェア

pagetop