“自称”人並み会社員でしたが、転生したら侍女になりました
プロローグ
「この石鹸、ぜんぜん泡立たない!」

そんな言葉を、生涯で何度も叫んだことか。

体の清潔さを保つ石鹸は、生活になくてはならないものである。石のように硬くて、ごつごつしていて、香りも薄いし、いくらこすっても泡立たない。

けれど石鹸は無臭に近く、ブクブク泡立つものではない。石鹸を売る雑貨屋を覗いても扱っていなかったし、店員もそんな石鹸なんかないと言われる。

けれどなぜか、私は香り高く、ブクブク泡立つ石鹸を知っているのだ(、、、、、、、)。

それはどうしてなのか。理由は、まだわからない。

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